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手作り集成材

皆さんこんにちは、木材課三浦です。
今、木材課で集成材を作成し、坂元植林の家の棚などに使用しています。

細い材や薄い材をくっつけて板のように使いやすい大きさに加工して使用する木材のことを、

集成材と呼びます。

どのようなものかというと

この様な角材(寸法は40mmx36mm)を柾目状に並べ、
プレス機の上で1本1本接着剤を指で伸ばし、最終的に450mm幅の集成材の板を作ります。

接着直後の写真です。

接着剤が乾いた写真です。

用途としてはキッチン扉・棚・間仕切り用材・・・・いろいろと。

この後、1~2カ月ほどかけ養生した後、
製材機で狂いなどを取る修正挽きをして、
4面プレーナーにて仕上げをします。

それを大工さんや建具屋さんに加工してもらい、棚などになります。

ここで、集成材と無垢材、接着剤とその耐用年数について簡単に解説します。

無垢材は、ここで紹介した集成材のように接着剤などでくっつけていない、
自然の木から切り出したもののことです。

接着剤でくっついているので、接着剤の効果が切れて剥がれてしまえば使えなくなってしまいます。
集成材について話をするときに、接着剤の耐久性が話題になることがあります。

接着剤、ボンドは1910年代にフェノール樹脂が開発され、それから徐々に広まり、
日本では「木工用ボンド」で有名なコニシ株式会社が1952年から発売を開始したようです。

日本では広く使われるようになってから70年近くが経過しているものの、
伝統工芸などで使われる膠(にかわ)などに比べると、できてから間もないので、耐用年数の実証はされていません。

無垢の木であれば時間がたって強度が落ちるということは考えにくいですが、
集成材の場合はどの程度の年数、強度を保つことができるかの実証が難しいということです。

坂元植林の家では、柱や梁、床など建物の主たる部分に集成材は使いませんが、

キッチンの棚や、玄関の下駄箱など、建物の強度に影響しない範囲で、
自社産のスギ材を有効利用する意味でも、自社で集成材を生産して使用しています。

その他にも、接着剤に含まれる化学物質などの問題も話題になります。

ちなみに、この集成材の製作にあたっては、

株式会社オーシカさまのマルチボンド950という商品を使用しており、
市販の木工用ボンドより硬化性と耐水性の高いものとなっています。

もちろんこの接着剤はF☆☆☆☆の認定をとっています。

F☆☆☆☆(フォースター)について語りだすとまた1時間くらいかかってしまうので
それはまたの機会にいたします。


実物は槻木駅西モデルハウスにてご覧いただけます。
この写真の左側の棚や、奥の下駄箱も自社の集成材です。

興味のある方は、ぜひ見にいらしてみてください。