スタッフブログ

竹チップでコンポストづくり

こんにちは、経営企画室の赤塚です。

7/22土曜、東北地方南部梅雨明けのその日に、
大工と作る竹チップでコンポストづくり
開催しました。

5月の柏もちづくりと森のようちえん開催から早いもので約2か月。
6月の菜の花でマスタード作り&羊腸でソーセージ作りから1か月。
3回目のさとのえイベントとなりました。

今回は丸森のNPO法人あぶくまの里山を守る会様にご協力いただいて開催いたしました。

コンポスト。
坂元植林の家に住まわれる方で、導入されている方もいらっしゃる、小さな循環の仕組みの一つです。

今回の竹チップでコンポストづくりで製作した箱は、
自社の製材所で節や傷などの比較的多いもので用意いたしました。
次回は、さらに、粉砕してペレットやバーク堆肥になるような側材で製作することを目指してみたいと思います。

そもそもコンポストについては、3年前にもブログで書いたのですが、
「めぐるめぐみ」と「パーマカルチャー」と「コンポスト」

焼却所に出す生ごみを減らすことでCO2の発生を減らし、
臭いや処分に困る生ごみストレスを軽減し、
堆肥を得ることのできる優れものです。

さらに今回は地域の放置竹林の竹を用いることにより、
土砂災害や獣害につながる地域の深刻な問題にも貢献することができます。

また、竹チップと米ぬかによる分解力は非常に活発で、
これまで私たちが使ってきた黒土・腐葉土をベースとしたコンポストより、
かなり速いペースで、生ごみを分解してくれるそう!

私の自宅にある黒土をベースにしたコンポストも、冬は寒さで微生物の活動が弱くなり、
ほとんど分解をしないので、冬の生ごみの分解は十分できておりませんでした。

今年は竹チップと米ぬかを使って、冬も生ごみを分解し、
さらに春先はその音頭を使って苗づくりに挑戦したいと思っています。


まず、あぶくま里山を守る会の中畑さんに、会のことや、コンポストを使う意義についてお話ししていただきました。


今日初めて会っていただいたおお客様同士、協力して作っていただきました。


ビスを打つ穴まで丁寧に測って


新人大工の佐藤君も大活躍でした


お昼ごはんは各々心地の良い場所で


さとのえの西側の下屋にタープをつないで、作業スペースを確保


蚊よけのオニヤンマくん


使い方のレクチャーをいただきます


湿らせ具合はこのくらい


動画に保存して、いつでも見返せるように。

さて、当日のイベントでは、ごみを減らしたり、竹害を解決に導く方法などをお話しいただきましたが、
私からは、増えていく空き家や人口が減っていく中で、私たちのような小さな工務店が家をつくること、
家だけでなく暮らし方、住まい方も提案して、持続可能な社会を実現していきたいということをお伝えさせていただきました。

たとえば、国土交通省の資料(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001323215.pdf)によると、
解体されている住宅の平均築年数は、日本では30年前後の数字であるのに対し、アメリカではその倍以上の66年、イギリスでは80年と、大きな差があるそうです。

日本の建物がとりわけ耐久性が低いということではなく、
時代が流れ家族の形や生活スタイル、使う家族が変わってもそれを受け入れられるだけの懐の深さがない、
使い続けたいと思えないデザイン、機能、性能、、、。さまざまその理由は考えられます。

そもそも日本の住宅は、将来売却することを想定して建てていないということが根本的な問題なのかもしれません。
上記のアメリカやイギリスなどでは、人生の段階に合わせて住替えることが普通なので、
購入時から再販するつもりで、住みながら性能向上を図っているそうです。

カナダからきた知人も、自分で手をかけて住まいの価値を向上して、
次の家族に渡して、利益を得てまた新しい家を直していくのだと、それがカナダでは当たり前のことだと話していました。

残念ながら日本では、戸建て住宅の場合は、将来売却することを考えて購入または建設される方はまだ少なく、
現代の生活や環境に合わせたリノベーションに耐えうるだけの不動産価値がないものが多いという現状です。

旅行に出かけると、古い建物が立ち並びその町、その都市、その国らしい景観を形成していることに気がつくかもしれません。

↑ニューヨークのブルックリンで撮影した外壁が板張りの建築。
両隣の建築も調和して、美しい通りの景観をつくっていました。


↑こちらは日本ですが、八重山諸島の竹富島。
その土地の気候風土に合わせ、地域で得られる素材で作られているので、色や形、がまとまっています。

日本の街並みは。。。というとお察しの通りですが、
建物の形、形状、高さ、あらゆるものがそれぞれの都合で建てられ、
建てた人が使わなくなれば空き家として放置されるか、解体してまた建築されるか。

先に示したように、日本の住宅産業の構造的な問題とも考えられますが、
そもそもの住宅に対する価値観が、建物が長く使われている国々と異なるのかもしれません。

数十年という短期間に、壊してまた建ててを繰り返すことで、
いろいろなものを失っているように感じます。

いつか街並みをつくり、何世代も住み継がれ、美しく使い続けられる住まい、建築を目指したいものです。

建物が長く使われれば、廃棄物が少なく環境負荷が少なく、経済的にも余裕が生まれ、
教育や文化、食事など、お金の使い方も変わっていくかもしれません。

今回の竹チップコンポストづくりや、さとのえでのイベントを通じて、
日々の中で、なるべく持続可能な選択をしていただける人が、一人でも増えていただければ幸いです。