第1回 ― 建築を学ぶ学生は、モデルハウス「さとのえ」をどう感じたのか ―
東北大学福祉建築学研究室 鳥山拓実さん「坂元植林の家」見学レポート①

先日、東北大学福祉建築学研究室の院生の鳥山拓実さんに、サカモトグループの施設をご見学いただきました。
ご案内したのは、モデルハウス「さとのえ」をはじめ、製材所や乾燥場、木材センターまで。一本の木が山から住まいになるまで、その一連の流れをご覧いただく見学会です。
見学後には、鳥山さんから7ページにわたる丁寧なレポートをいただきました。

専門的な視点でまとめられたその内容は、私たち自身が日頃大切にしている家づくりを改めて見つめ直す機会にもなりました。
今回から3回にわたり、そのレポートをもとに、建築を学ぶ学生さんが感じた坂元植林の家の魅力をご紹介します。
「さとのえ」は、環境とともに暮らす住まい
最初に見学いただいたのは、モデルハウス「さとのえ」。

鳥山さんは、「伝統的な木造建築の技術と現代の環境技術を高い次元で融合した住宅」と表現してくださいました。
窓の配置や風の通り道、深い軒や縁側による日射のコントロールなど、自然の力を活かして快適に暮らすための工夫が随所に盛り込まれています。
また、屋根で集めた太陽熱を暖房に利用する仕組みや、薪を活用したペチカ、薪ボイラーによる床暖房など、自然エネルギーを活かした住まいであることにも着目されていました。

性能だけを追い求めるのではなく、「自然とどう付き合うか」という考え方まで評価していただけたことは、私たちにとっても嬉しい発見でした。
木の心地よさは、数字では測れない価値
レポートの中で特に印象的だったのは、無垢材について書かれていた一節です。

木の香りや手触り、真壁づくりによる素材感、自然とのつながり。
そうした五感で感じる心地よさが、「居住者に訴えかける空間」として丁寧に表現されていました。
住宅では性能や数値が注目されることも多くあります。
もちろん、それらはとても大切です。
しかし私たちは、それと同じくらい「木に触れたときの安心感」や「自然の中にいるような居心地」も住まいの価値だと考えています。
建築を学ぶ学生さんが、その部分を言葉にしてくださったことは、とても印象に残りました。

地域に開かれたモデルハウス
もう一つ興味深かったのは、「さとのえ」が単なるモデルハウスではなく、地域のコミュニティ拠点になっている点にも触れていただいたことです。

実際に「さとのえ」では、森林散策や梅仕事、金継ぎ教室など、自然や暮らしを楽しむイベントを定期的に開催しています。
住まいは、建てて終わりではありません。
そこで人が集い、季節を感じ、地域とのつながりを育んでいく場所でもあります。
鳥山さんのレポートを通して、建築を学ぶ学生の方にそのような「家の役割」まで感じ取っていただけたことを嬉しく思いました。
次回予告
次回は、竹の花製材所と上大原乾燥場を訪れた学生さんの視点をご紹介します。
一本一本の丸太を見極める製材や、時間をかけて木の魅力を引き出す低温乾燥。
効率だけでは測れない、サカモトグループの木材づくりへの考え方を掘り下げていきます。
書いた人

坂元植林の家 編集部
林業会社を母体とし、森林経営から木材加工、木造住宅の設計施工まで一貫して取り組む工務店として、森林・林業・木造建築・地域の暮らしに関する実務に基づいた情報を発信しています。








