第1回 自然の流れの中で生まれる家

自然と共にある設計思想の話|山田貴宏さんインタビュー

連載の初めに

坂元植林の家では、長年、理念として掲げてきた「自然との共生」「地域との共生」の理念を、さらに家づくりで具現化していくために、創業110年を迎えた2018年から、建築家の山田貴宏さん、環境デザイナーの廣瀬俊介さんと、「成田プロジェクト」と呼ぶ地域の風土調査や、「まちのえ」「さとのえ」という新しいモデルハウス の建築を進めてきました。
山田さんや廣瀬さんとの協働は、これからの時代に「私たちの暮らし方と地域や自然との関係性をどのように結び直していくと良いのか」を考えていく手がかりにもなると考えています。そのような考えで、「もりのわ」では、山田さんが語りおろす「山田ゼミ」と、廣瀬さんの調査内容を紹介していく「廣瀬ゼミ」の連載を始めます。まずは、先行してスタートする山田ゼミの第1回をお届けします。 もっと読む

木と、鉄と、旅する気持ちを形に。

家具作家 ワタナベケイタ(tripinterior)

宮城県白石市で家具や什器を手作りするワタナベケイタさんを訪ねた。その日は梅雨入り間近。重く湿った空気に耐えていた太陽が力尽き、昼過ぎから雨が降り出した6月の初旬。しっとりした空気の中、自らの手で繕う工房に私たちを招き入れてくれた。質問を投げかけると、やや間をおいてひとことひとこと丁寧に答えてくれるワタナベさんの纏う空気は、モノ作りだけでなく人とのかかわりにも心を砕く様子をうかがわせるものだった。

もっと読む